一時期テレビの通販番組で、非常に頻繁に「高枝切りバサミ」が販売されていたのをご存知でしょうか?一見、数千円程度の「高枝切りバサミ」が、なぜこのように通販番組でどんどん取り上げられていたのか僕も不思議に思っていました。
「高枝切りバサミ」は非常に売れ筋の、利益率の高い商品なのだと勘違いしてしまうほど販売されていましたが、販売されていることについては深い理由があるのです。
買う人が誰であるかを見極める
ここから書く「高枝切りバサミ」の例は、顧客リストの収集面で非常に参考になります。
マーケティング的な、フロントエンドとバックエンドといったような、実際に売りたい商品はバックエンドにあるけれども、フロントエンドの安い商品でまず顧客リストを集めたい、というやり方に非常に参考になる具体例です。
そもそも「高枝切りバサミ」を購入する方がどのような顧客層かということを考える必要があります。
長さ数メートルもある高い枝を切るようなハサミは、業務用で使う以外は間違いなく自宅に大きな木があるお宅です。
そんな大きな木があるお宅というのは、かなり広い庭があり、土地を持っているか資産を持っているか、そんなイメージがあります。
つまり、「高枝切りバサミ」が必要とするような家に住んでいる方は、総じてお金持ちではないかということが推測されます。
また逆に考えると、ほとんどの人は「高枝切りバサミ」に興味関心を示すことは無く、それは高いところにあるものを切る必要が無い生活を送っているということなのです。
僕もそうなのですが、一般庶民には全く関係ないと思われていた「高枝切りバサミ」のテレビショッピングですが、実は、テレビを通じてお金持ちだけを相手にした、「高枝切りバサミ」の次の商品を売るための顧客リストの収集とも言えるのです。何かいやらしい書き方になってしまいましたが、実際は「高枝切りバサミ」の次に何をその顧客に販売していくかが重要になります。
例えば、お金があるという観点で考えれば、家のリフォームを販売したり、高額な金融商品を販売したりといったことになるかも知れません。あるいは、庭が広いということに焦点を当てると、最新の防犯システムを販売したり、相続税や固定資産税の対策としてのコンサルティング的な商品や保険商品なんかが販売できるのかもしれません。
つまり、買う人のイメージや顔が見えてくれば、何を売るかも明確になってきますし、商品の企画や見せ方と言った販売技術的な対策も取りやすいでしょう。
販売対象の顧客属性を集客すること
ここで見えてくることは、まずは何よりも販売したいものを買ってくれる層、つまり、顧客リストとなるべき人をいかに集客していくかということに知恵を絞るということです。
Webでの集客をメインとされている会社であれば、SEOによる顧客リストの収集がこれに当たります。
要は、自社の商品やサービスと関係のない人を、闇雲にホームペーで集客し、アクセスを呼び込んでも、それは何もたらしてくれないということです。
キーワードで順位が1位になったとか、アクセス数が1,000を越えたとか、成果が出てきそうなのになかなか成果が出ない場合は、収集している顧客属性の検証を行う必要があります。アクセス増でもwebでの集客にとっては意味が無い場合もある、そんなことを頭にいれてホームページの運営を行って欲しいと思います。
今回の例で書いた「高枝切りバサミ」も、実際に集客できている人数はテレビショッピングの中でも少ないほうだと思われますが、集まった顧客リストによる販売増の効果は非常に大きいと予想できます。商品そのものを売るのではなく、その次の商品を売るための準備という発想が大切です。
テレビショッピングが長期間続いていたという単純な理由で、その集客・販売の効果が垣間見えるのです。
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山口 敦
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