2020年以降、国を挙げて進められている「自治体DX」(https://www.soumu.go.jp/denshijiti/index_00001.html)の中核にあるのが、書類業務のデジタル化=ペーパーレス化です。
しかし、全国の自治体現場では、思うように進んでいない現実があります。
表向きの制度設計やガイドラインの整備は進んでも、現場での運用に落とし込めていない自治体が少なくないのが現状です。
ここでは、デジタル化が進んでいない原因と、その対策を考えてみようと思います。

ペーパーレス化が進まない3つの主な要因
1.紙文化が根強く残っている
地域住民、特に高齢者が多い地域では「紙での提出」がいまだに当たり前という感覚が強く、職員側も「紙で受け取る方が安全」と感じてしまうケースもあります。
また、紙で保存する前提の業務設計が長年続いてきたため、フォーマットや押印文化を完全に切り替えるには大きな労力が伴います。
60代、70代以上のスマホ所有率を見ても、すでにデジタル化を進めることに対する障壁は小さくなってきていると感じます。
弊社でも自治体のデジタル商品券の特設サイトの運営を28サイト、過去に行ってきましたが、地方自治体の住民の方々もスマホを使ったデジタル商品券での入金や支払いを多くの場合で問題なくこなしておられました。
2.電子化のシステム整備に対する負担感
システムベンダーとの契約や高額なカスタマイズ費用、庁内ネットワークの制限などがネックとなり、デジタル化の必要性は感じていても「導入できる環境がない」と立ち止まってしまっている自治体も多いのが実情です。
導入する最初の業者選定や契約前の段階で時間がかかりすぎて通常業務に忙殺されているのではないでしょうか。
すべてを一気に整備するというよりも、一つの業務をデジタル化し、それを複数の業務にも当てはめてくという、小さく始めるスタイルが負担感を和らげるポイントです。
3.庁内業務プロセスそのものが紙前提で構築されている
起案書・決裁書・報告書・公文書などの行政文書が、いまだに紙で回覧・捺印される流れのままでは、デジタル提出された住民情報も再び紙に印刷して使われるという“二度手間”が発生します。
せっかくのペーパーレス化も印刷するのでは紙媒体の削減にはならず、そのメリットが半減してしまいます。
こうした現場のプロセスから変えない限り、真のペーパーレス化は実現できません。
トップ層の意識改革が何よりもまず必要だと思います。
現場から始める「小さなペーパーレス化」のアプローチ
前述の通り、すべての業務を一気にデジタル化するのは、予算的にも人的にも負担が大きすぎます。
そこで有効なのが、「一部の申請業務」や「よくある手続き」など、頻度が高く汎用的な業務から部分的にペーパーレス化していく方法です。
たとえば以下のような業務から着手できます
- 住民向けの講座・イベントの申込み
- 補助金や助成金の申請受付
- 災害時の罹災証明書・支援申込受付
- 子育てや高齢者支援関連の簡易申請
これらの業務は、紙で回収→手入力→PDF化→印刷という工程がある一方で、書式がほぼ決まっており、定型処理に向いているため、デジタル移行がしやすい領域です。
他にも日常業務で多くのスタッフが入力して提出しているような申請書類等もあると思います。
そのような書類のほとんどが、簡単にデジタル化できるような内容です。

具体的な解決策
段階的移行で混乱を防ぐ
まずは紙とWebを併用し、徐々にWeb比率を上げる運用にすることで、住民・職員双方が負担なく移行できます。
「オンラインでも受け付けています」と周知を続けることで、住民の利用率も着実に上がっていきます。
Webフォームの導入は、紙の見た目を意識した設計が鍵
「デジタルにしたら見づらい・分かりづらい」という声が出ないように、紙の申請書とほぼ同じ見た目・項目構成のフォームにすることが安心感につながります。
内部業務も同時に見直す
住民の申請をWeb化しても、受け取ったデータを紙に印刷して使っていては意味がありません。
PDF化・分類・保存・検索までの内部処理もデジタルに統一することで、庁内の業務効率も飛躍的に向上します。
PDF出力フォームという身近な第一歩
こうした「小さなペーパーレス化」を実現するうえで、弊社が提供するWebフォームからPDFを自動生成する仕組みは非常に相性が良いです。
既存の紙書類のレイアウトを再現したPDFを、Webからの入力内容で即座に作成できるため、住民にとっても職員にとっても扱いやすく、移行のハードルを大きく下げられます。
全部を変えるのではなく、変えられるところから一つずつで良いのではと考えています。
自治体の現場で、無理なく・確実にペーパーレス化を進めていく一歩として、このような仕組みをぜひご検討いただければ幸いです。
システムはサーバーにWordPressを設置してWordPressベースで動かしますので、システム化の費用がかなり低減できます。
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投稿者プロフィール

- 2004年頃の会社員時代からブログ作成を始める。ブログ作成が楽しくなり、そのまま趣味が高じて2006年にホームページ制作で起業、2008年に株式会社ウェブロードを設立。現在は、個人・中小事業者のWordPressサイト制作・改善を中心に、Web業界18年の知識と経験を生かして、大型案件のWebディレクターとしても活動中。 プロフィールはこちら
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