最近、お客様から「以前お願いしていた制作会社に“WordPressはアップデートしない方がいい”と言われました」とご相談を受けたことがありました。
この言葉、実は多くの中小規模のサイトで耳にするものです。結論から言うと、「WordPressのアップデートを推奨しない制作会社」も実際に存在します。
ただし、その背景を掘り下げると、いくつかの理由と構造的な問題が見えてきます。

1. 古いテーマやプラグインを前提に構築している場合
事例では他社製サイトでしたが、サーバー側のデータベースとPHP、WordPress側のテーマどプラグインを精査し、すべてのプログラムを最新の状態にアップデートを行ないました。
制作会社が過去に購入した古い有料テーマや、独自に作成した自作テーマをベースに構築している場合があります。
これらは制作当時のWordPressバージョンを前提に作られているため、アップデートによって不具合が発生するリスクがあります。
特に問題となるのが、「テーマやプラグインのコアファイルを直接書き換えているケース」です。
通常は子テーマでカスタマイズすべき箇所を、コアに手を入れてしまうと、WordPressの更新でその内容が上書きされ、動作しなくなってしまいます。
このような作り方をしてしまうと、制作者側は「アップデートしないでください」と伝えるしかなくなります。
結果として、「更新を前提としない不安定な構造」が残るのです。
2. 保守体制を持たない「納品したら終わり」型の制作会社
低価格で制作を請け負い、「納品後の保守対応は行わない」体制の制作会社も少なくありません。
この場合、納品直後は問題がなくても、半年後・1年後にWordPressやサーバー環境が更新されると、不具合が生じる可能性があります。
しかし、その際に対応できるスタッフや保守契約が存在しないため、「更新しない方が安全です」と説明し、責任を回避するケースがあります。
つまり、「安全のため」というよりは、「サポート放棄のための言い訳」になっているのです。
更新を止めることで短期的なトラブルは回避できても、長期的には確実にリスクが膨らみます。

3. サーバーやPHPが古く、最新WordPressが動かないケース
WordPressを動かすサーバー環境が古いまま放置されているケースも多く見られます。
たとえば、PHP7.0やMySQL5.6といったサポート終了バージョンで運用していると、最新のWordPressを動かそうとしてもエラーが出てしまいます。
こうした場合、本来であればサーバーの設定を見直し、PHPやデータベースをバージョンアップすれば解決します。
ところが、制作会社にサーバー管理の知識や権限がないと、その対応ができません。
結果的に「アップデートは非推奨」という説明で対応を止めてしまうのです。
これは「技術面での対応が追いついていない状態」といっても過言ではありません。
4. ウェブロードが考える「正しいアップデート設計」
ウェブロードでは、制作の段階から「アップデートを安全に行える構成」を前提に設計しています。
テーマやプラグインは、更新が止まらずサポートが継続しているものを採用し、独自カスタマイズは子テーマ・専用プラグインで管理します。
また、WordPressやPHPのバージョンアップを想定し、構成ファイルの依存関係を明確にしています。
「アップデートを推奨しない」という設計は、「長期的にお客様を困らせる構成」です。
私たちは、制作後も10年単位で運用できることを目標に、メンテナンス性を重視したサイト構築を行っています。
アップデートを止めてしまうことは、3年後・5年後に「サーバーが対応しなくなり、WordPressが動かない」という未来を放置するのと同じです。
5. WordPressを安全に運用するための基本的な流れ
- まず、管理画面やサーバーパネルで現行のWordPress、PHP、データベースのバージョンを確認します。
- フォームや予約システムなど、外部入力の窓口部分を優先して安全化し、古いプラグインを整理します。
- サーバーのPHPを最新推奨版へアップグレードし、不具合があればご利用のテーマのコード修正を行います。
- WordPress本体とプラグインを最新版へ引き上げ、動作確認を行います。
- データベースが古ければ、下層ディレクトリに新しいWordPressを構築し、最新データベース(MySQL8.0以上)へ内容を移行します。
- 最終テストを行い、旧サイトを削除(重要です)して元のURLで新環境を公開します。
この流れで進めることで、サイトを止めずに安全に最新環境へ切り替えられます。
見た目はそのままでも、内部構造を整えるだけで将来の更新リスクを大幅に下げられます。
これらの内容はこちらのサービスでご提供させていただいております。
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アップデートを止めることは「運用を止める」こと
WordPressのアップデートを推奨しない制作会社は、短期的な納品ビジネスで完結するケースが多く、長期運用の視点を持っていない場合がほとんどです。
制作段階から更新を見越した設計を行っていれば、「アップデートは危険」とは本来言えません。
ウェブロードでは、「更新しても壊れないWordPress」を当たり前の基準として開発しています。
これは単に技術力の差だけでなく、「お客様のサイトを10年先まで守るという姿勢」の違いでもあります。
「アップデートが怖い」と感じる方ほど、一度環境を見直す価値がありますし、それが安心して運用を続けるための第一歩です。
WordPressサイトの保守管理が必要な会社様、保守会社の乗り換えを考えている会社様はぜひウェブロードにご相談ください。
PHPのバージョンアップ、データベースのバージョンアップ、WordPressテーマのバージョンアップをしっかり責任を持って対応させていただきます。
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投稿者プロフィール

- 2004年頃の会社員時代からブログ作成を始める。ブログ作成が楽しくなり、そのまま趣味が高じて2006年にホームページ制作で起業、2008年に株式会社ウェブロードを設立。現在は、個人・中小事業者のWordPressサイト制作・改善を中心に、Web業界18年の知識と経験を生かして、大型案件のWebディレクターとしても活動中。 プロフィールはこちら
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