こんにちは、ウェブロードの山口です。

最近の弊社のお問い合わせの傾向を見ていますと、「しっかり集客できるホームページを作りたい」というニーズが1番になっています。

ただ、過去に制作会社で作ってもらったサイトについて、

  • 自社でページの追加ができない
  • 自社で更新ができない
  • WordPressのPHPのアップデートができない
  • サイトがエラー状態になり変な文字列がたくさん出てきて動かなくなった

など、運営に関するお問い合わせの比率が高まってきています。

WordPressの場合、簡単に自社で管理できるという情報も多いため、制作会社に作ってもらってそのまま自社で運営をする会社様も多いです。

そこに1つの壁となって立ちはだかるのが、PHPのバージョンアップという問題です。

PHPというのは、ホームページやWordPressを構成しているプログラムで、そのWordPressのホームページが置かれているサーバーで動作します。

PHPプログラムは生き物ですので、スピードアップや機能改善、セキュリティの向上など、不具合やセキュリティの問題が発見されれば、バージョンはどんどん上がっていきます。

Windowsパソコンの定期的な自動更新と同じように、PHPもプログラムである以上、バージョンアップを行わなければならないのです。

そのPHPのバージョンアップですが、過去に制作会社で作ったサイトを、数字で表されるバージョン番号の、7から8に変えるだけで、サイトがエラーになるという事例が増えています。

数字が増えるほど新しい最新状態のプログラムであるということで、PHP7やPHP8のような形で表現されます。

それぞれの数字に小数点以下もついて、PHP7.4.33やPHP8.3.22等と表記します。
読み方はそれぞれ、下記のように、小数点以下が二桁あれば、「サンジュウサン」や「ニジュウニ」のように読みます。

PHPの7のバージョンはすでにサポートが切れていて更新されていないため、早急に最新のPHPのバージョンである8以上に変える必要があります。

ただし、過去のPHP5やPHP7(なぜかPHPには6のバージョンはありません)のバージョンで運営している会社様の場合、今後脆弱性や不具合が発生するリスクが高く、その部分が大きな壁になっています。

このバージョンアップの問題を乗り越えるためには、どのようにWordPressを制作・運営すると良いか、という点が重要になります。

多くの制作会社は、WordPressのテーマを自社で作ってお客様に納品し引き渡しますが、そのテーマを作るときに使ったWordPressのPHPのバージョンが、例えばPHP5が最新であれば、当然その最新のPHP5のプログラムを使ってテーマを作ります。

ただ、PHPのバージョンは時代に応じてどんどんアップデートされていくものなので、納品から2年、3年、4年、5年、6年と経つと、最新のPHPは制作時のPHP5ではなく、PHP7やPHP8など、新しいものに更新されていきます。

その際、古いPHPのバージョンで作られたプログラムや使われなくなった関数が、動作しなくなる原因で、ここを外部から突かれれば、セキュリティリスクが発生するといったことになります。

そもそも古いPHPの場合は、プログラムの書き方自体が廃止されたり、関数が別のものに変更されたりする場合もあります。

  • そうなると、サーバー側でPHPのバージョンを上げて最新状態にすると、WordPressのテーマがそれに対応できず、
  • サイトが動作しなくなったり、
  • 画面が真っ白になったり、
  • ログインできなくなったり、
  • サイトに変な文字列がずらっと並んで表示されるようなエラーを引き起こしたり、

することになるのです。

サーバー側では、古いPHPも使えるように複数のPHPバージョンが用意されていますが、過去のPHPバージョンはほとんどの場合、非推奨ということでアラートが付されています。

WordPressに関する不具合の多くは、このPHPというプログラムの問題に起因します。

つまり、

  • サーバー側でどのPHPバージョンの数字を設定しているか?(PHP8.3.22など)
  • WordPressの本体(のPHP)のバージョンは、どの数字か?(PHP7.4.33など)
  • WordPressのテーマのPHPのバージョンは、どの数字か?(PHP7.4.33など)
  • WordPressに設置しているプラグインのPHPはどのバージョンの数字か?(PHP8.1.32など)
    ※ちなみに最後のプラグインは、20個設置していれば、20個それぞれのPHPのバージョンをチェックする必要があります。

しかも厄介なことに、この4つ(プラグインについては有効化しているのが20個なら20個分)のPHPのバージョンは、1番低いものに合わせなければならないという原則があります。
つまりボトルネックが発生します。

この4項目について、全て最新版のPHPで運用できればそれがベストですが(弊社制作&保守管理のサイトは、この4項目すべてを最新のPHPバージョンで運用しておりますのでご心配は不要です)、

エックスサーバーなどのレンタルサーバーを利用していれば、サーバー側ではサーバー会社の専門家がPHPのバージョンを最新のものにどんどん引き上げ可能な状態にしてくれます。

追いついていかなければならないのは、運営しているWordPressサイトの方です。

これが制作当初の作り方次第でPHPのバージョンを引き上げることができない状態になっているのが、弊社にご相談される多くの会社様のWordPressサイトの現状です。

PHPのバージョンが上がっていくのに合わせて、自社のサイトもそれに連動して正常に動作するようにするためには、更新が継続されているWordPressのテーマを使うことが大切です。

ほとんどの会社様がこうした仕組みを知らないため、安価なだけであったり、マーケティングや営業のうまい会社でホームページを制作することになります。

作った当時は最新のホームページだったとしても、3年や5年も経てば動作が不安定になったり、そもそも動かなくなったりして、そこで初めてどう対応するかという議論が始まります。

これを防ぐためには、オリジナルのWordPressテーマで運営する場合は、継続的にテーマをPHPのバージョンアップに合わせて更新してくれる制作会社を選ぶことが必要です。

もしくは、弊社のようにWordPressがオープンソースである特性を活かし、継続的にPHPのバージョンアップに対応したオープンなテーマを使い、それをベースにホームページ制作をしてくれる制作会社を選ぶことをおすすめいたします

「WordPressサイトをオリジナルデザインで作ってはいけない」という動画を数年前に出したのですが、まさにこれが最近、弊社へのお問い合わせで急増しているご相談内容になっています。

PHPのバージョンアップができなくなったWordPressサイトの対応方法は2つです。

1つ目は、当初制作した制作会社にPHPのバージョンアップに対応するように、サイトのコードを書き換えてもらうことです。

完全オリジナルで作られたWordPressテーマの不具合箇所を特定し、修正してもらいます。

その部分だけを別の会社に依頼すると、制作段階のプログラムの書き方は人それぞれですので、調査に非常に時間や労力、コストがかかるため、おすすめできません。

ただ、運営しているサイトによってはリニューアルには大きなコストがかかるため、コードの分かる人が特定して部分的に修正し、運営をつないでいくのが現実的な場合もあります。

2つ目は、完全にオープンソースのテーマ、もしくはPHPのバージョンアップが継続されているWordPressテーマにすべてのコンテンツを移行する方法です。

運営歴の長いサイトになってきますと、この2番目の方法は時間や工数の非常にかかる、場合によっては年単位のプロジェクトになります。

今回はWordPressサイトを運営するにあたって、おそらくあまり聞くことのなかったPHPのバージョンというお話を中心にお伝えいたしました。

WordPressサイトの制作会社側としては、常に頭に置いている内容なのですが、お客様に説明しご理解をいただくには非常に時間のかかる内容です。

保守管理を中心に事業展開している制作会社を選んで制作を行うというのも、このPHPの問題を回避する1つの方法になるかもしれません。

編集後記

今回は長い文章になりましたが、内容的にはサイト制作の発注者側が知っておかなければならない情報です。

納品して引き渡して保守をしない制作会社の場合は、納品すれば「ハイ、さようなら」で、お客様にPHPのバージョンのことなど、ややこしいので説明する必要がないからです。

ただ、WordPressで制作する場合は、たとえお引き渡しして取引完了のお客様であっても、制作前にこの部分の説明は必要です。

少なくとも、オープンソースで、PHPバージョンが更新され続けるテーマで制作するべきだと考えています。

PHPバージョンアップで身動きが取れない問題が発生する傾向は、WordPressを自社運用されている事業者様に多く見られます。

弊社の場合、完全に初心者の方は、保守を丸投げしてくださるので、お客様側でこのPHPバージョンアップ問題が発生することはありません。

貴社がWordPressサイトの外注制作をお考えの際には、後々困ることが無いように、PHPのバージョンアップ問題には充分注意して発注先を選ぶようにしてください。

投稿者プロフィール

山口 敦
山口 敦
2004年頃の会社員時代からブログ作成を始める。ブログ作成が楽しくなり、そのまま趣味が高じて2006年にホームページ制作で起業、2008年に株式会社ウェブロードを設立。現在は、個人・中小事業者のWordPressサイト制作・改善を中心に、Web業界18年の知識と経験を生かして、大型案件のWebディレクターとしても活動中。 プロフィールはこちら

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