こんにちは、ウェブロードの山口です。

長くホームページを運営していると、事業の状況が変わって、ドメイン名と今の実態が合わなくなってきた、というお悩みが出てくることがあります。

今回は、実際にいただいたご相談をもとに、実務現場の視点でお答えします。

「ドメイン名と教室名が全然違うのですが、10年前に取得したドメインを変えるべきでしょうか。ドメインを変えるとSEO評価は落ちてしまいませんか。」

というご質問をいただきました。

長年育ててきたドメインを手放すのは怖いですよね。

結論から言うと、ズレが軽微なら現状維持、事業領域がガラッと変わっているなら変更、が基本方針となります。

ドメインの年齢や運用歴は大切ですが、最近のSEOはそれ以上に中身であるコンテンツを重視します。

どう判断し、どう動けばいいのか、ケースごとに下記をご参考にしていただければと思います。

ズレが軽微なケースでは基本は現状維持でOK

例えば、これまで「〇〇塾」だったけれど、今は「〇〇教室」に名称変更した、というようなケースです。

提供しているサービスの価値やターゲットが変わっておらず、言葉の違いが表記レベルに留まるなら、ドメインは現状維持で問題ありません。

理由はシンプルで、ユーザーはURLの文字列よりも、ページを開いた瞬間の見た目であるファーストビューで判断するからです。

サイト内の見た目を統一すれば大丈夫

サイトのロゴ、大見出し、パンくずリスト、フッターなどが現在の名称である「〇〇教室」で統一されていれば、URLが多少違ってもユーザーは違和感を持ちません。

この場合の運用ポイントは以下の通りです。

  • トップページ、教室案内、アクセス、お問い合わせなどの主要ページで、新名称をはっきり明示する。
  • メタタイトルやディスクリプションといった検索結果に出る文字を新名称に書き換える。

これだけで、ユーザー体験としての違和感はほぼ解消できます。

事業領域が変わったケースはドメイン変更が必要

一方で、昔は英語塾だったけれど、今は算数専門塾になった、というような学習領域そのものが変わったケースは変更が必要になります。

これは、ドメイン名(例:english-school)がユーザーに誤解を与えてしまいます。

「算数を習いたいのに、URLが英語?」となると、混乱して離脱されたり、Webで重要な信頼を得られなかったり、それに伴ってお問い合わせが減ったりする原因になります。

また、これから屋号での指名検索を増やしていきたい場合も不利になります。

こうした根本的な不一致がある場合は、ドメイン変更を行う必要があると考えています。

10年の歴史が消えるというのは誤解

ドメインを変えると、過去の評価がゼロになるのではと心配される方が多いですが、適切な技術的処置である301リダイレクトを行えば、評価の大半は引き継げます。

最近のGoogleは、ドメインの年齢そのものよりも、今のユーザーにとって有益か、情報は新しいかというコンテンツ品質を重視する傾向が強まっています。

古いドメインでも中身が古ければ評価されませんし、新しいドメインでも良質な記事を積み上げれば十分に戦えます。

301リダイレクトについての補足

かつては、リダイレクトを行うと少しだけ評価が失われる仕様でした。 2016年までは体感的に7割から8割くらいしかドメインパワーを引き継げなかったという印象です。

しかし、当時のGoogleはインターネット全体の常時SSL化(HTTPS化)を推進したいと考えていました。HTTPからHTTPSへの移行にはリダイレクトが必須です。

そこで、サイト運営者が評価の低下を恐れてHTTPS化をためらうことがないよう、仕様を変更したという背景があります。評価を全て引き継がなかったのはスパム対策という側面が大きかったのですが、これもGoogleの技術の進歩で解決できたと言われています。

現在は、301でも302でも、リダイレクトによる評価のロスは気にせず、サイト移転や統合作業を行っていただいて問題ありません。

情報の根拠となるのは、Googleのゲイリー・イリェーシュ氏(Gary Illyes)による2016年の下記発言です。

Googleの検索部門の代表者が公言した内容として、SEO業界では事実上の公式見解として扱われています。

ドメイン変更時の実務チェックリスト

もしドメインを変更する場合、SEO評価をしっかり引き継ぐために、最低限これだけはやってください。

  1. 恒久的リダイレクト(301)の設定
    旧URLにアクセスしたら自動的に新URLへ転送される設定です。
    トップページだけでなく、各記事ページ単位で細かく転送先を設定することで、リンク評価やユーザーの流れを引き継げます。
  2. サイト内表記の完全統一
    ロゴ、見出し、フッターはもちろん、構造化データやサイトマップ内の記述も新名称に統一します。
    中途半端に旧名称が残っているのが一番よくありません。
  3. 計測ツールやGoogleへの通知
    Googleアナリティクス(GA4)、Googleサーチコンソール、広告の設定を新ドメインに変更します。
    移行後はエラーが出ていないか、サーチコンソールでこまめにチェックしましょう。
  4. 被リンクの修正依頼
    知り合いのサイトや、登録しているポータルサイトなど、連絡がつく範囲でリンク先を新ドメインに書き換えてもらいましょう。

現状維持でいく場合の最適化ポイント

やっぱりドメインはこのままでいくと決めた場合は、ユーザーを迷わせないための情報の整合性が鍵になります。

  • ファーストビューで宣言する
    トップページの見えやすい位置に、「〇〇塾は、〇〇教室に生まれ変わりました」といった案内を置きましょう。
  • 内部リンクの強化
    ユーザーが知りたい情報へスムーズに移動できるよう、関連ページへのリンクを増やしてサイト内の回遊率を高めます。
  • 旧記事のリライト
    過去の記事に残っている旧名称を、地道に新名称へ書き換えていきます。

生成AIを活用して作業を効率化しよう

名称変更に伴う修正作業は、数が多くて大変ですよね。

これはChatGPTなどの生成AIを活用して時短で行いましょう。

  • 表記ゆれチェック
    記事のテキストデータをAIに渡し、旧名称が含まれている箇所をリストアップさせます。
  • リダイレクトリストの作成
    新旧のURLリストを渡し、関連性の高いページ同士を紐付ける対応表をAIに作らせると、手作業のミスが減ります。
  • 新記事の構成案
    新しい屋号やコンセプトに合わせた記事の見出し構成やリライト案をAIに相談し、コンテンツの鮮度を一気に上げましょう。

Search Regex」などのWordPressプラグインもありますので、こちらはデータベースの文字列一括変換になりますが、活用できる方はこのようなプラグインを組み合わせての対応もよいと思います。


大切なのは一貫性と鮮度

変えないほうが良いケース

  • 名称の違いが微差である
  • 提供サービスやターゲットは変わっていない
  • サイト内の見た目を新名称で統一できる

変えたほうが良いケース

  • 教科やサービス領域が根本的に変わった
  • ドメイン名が明らかに誤解を招く
  • これから新しい屋号でブランドを作っていきたい

どちらの道を選ぶにしても、SEOやAIOで勝負を決めるのは移行後のコンテンツの継続作成とメンテナンスです。

箱であるドメインを変えるかどうか悩み続けるより、中身の記事や情報を最新にしてユーザーの役に立つ状態にすることのほうが、SEOの結果には直結します。

まずは、ご自身のサイトのファーストビューと問い合わせページの表記が、現在のサービスと一致しているか、そこからチェックしてみてください。

投稿者プロフィール

山口 敦
山口 敦
2004年頃の会社員時代からブログ作成を始める。ブログ作成が楽しくなり、そのまま趣味が高じて2006年にホームページ制作で起業、2008年に株式会社ウェブロードを設立。現在は、個人・中小事業者のWordPressサイト制作・改善を中心に、Web業界20年の知識と経験を生かして、自治体案件等の大型案件のWebディレクターや中小企業・個人事業主へのWeb全般のアドバイザー、SEO/AIOのコンサルタントとしても活動中。 プロフィールはこちら

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