昨日のYahooニュースで、下記の記事が目に留まりました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2143cd69e847a97bbd4b60b0b1165d9dec3025f3

給付金、観光促進、イベント告知、周年事業など、行政機関や企業では期間限定の特設サイトやランディングページが数多く制作されています。

弊社でも、サーバーやドメインの取得から、このようなキャンペーンサイトの制作・運営を請け負うことがよくあります。

こうしたサイトは短期間で役目を終えるため、制作や運用を外部に委託し、終了後は契約を終えてしまうケースも少なくありません。

しかし、キャンペーンが終わった後、そのサイトで使っていたドメインをどうするかまで、企画段階で決めている自治体はほとんどありません。

40件程度の自治体案件をこなしてきた弊社の経験上も、そこを気にする自治体は皆無でした。

終わった事業だから契約終了でいいだろう、そう判断した瞬間に、組織の信用を大きく揺るがしかねない見えないリスクが生まれることがあります。

それがドメインの契約期間の問題です。

今回は、多くの担当者が見落としがちなドメイン失効のリスクについて、このyahooニュースが出たタイミングで注意喚起含めて書いてみたいと思います。

なぜ契約終了が危険なのか?ドメイン失効の仕組み

特設サイトやランディングページは、制作会社や広告代理店など外部に運用を委託していることがほとんどです。

問題が起こりやすいのは、キャンペーン終了のタイミングです。

弊社のような制作会社では、ご依頼者様から「事業が終わったのでサーバーもドメインも解約してください。」という連絡を受けます。

ウェブロードの場合は、ご依頼者様に「ドメインはどうされますか?」という話をお伝えしています。

契約どおりにドメインの解約手続きを行いますと、ドメインは解約した瞬間に消えるわけではなく、一定期間(数カ月程度)を経て、誰でも再取得できる状態に戻ります。

つまり、これまで行政や企業の公式サイトとして使われていたURLが、第三者の手に渡る可能性があるということです。

かつて短期間であっても行政の公式サイトとして使われていたドメインは、検索エンジンから一定の信頼を得ています。

悪意のある第三者は、その信頼が残っている点に目を付け、失効したドメインを狙って取得します。

その結果、同じURLにアクセスしたにもかかわらず、まったく別の内容のサイトが表示される事態が起こります。

ヤフーの記事にもありましたように、弊社でも3年程度はドメインを契約し続けて、保持しておくことが無難だと考えております。その間外部の第三者がそのドメインを利用することはできず、不正利用も防ぐことができます。

実際に起きている事例

一つ目の事例は、行政関連で使用されていたドメインが失効後に第三者に取得されたケースです。たまにニュースでも目にします。

元のURLにアクセスすると、行政とは無関係な広告ページや不適切な内容が表示される状態になっています。

過去に公式サイトとして使われていたことを知らない利用者にとっては、見分けがつきません。

二つ目は、地域イベントの特設サイトで起きた事例です。

イベント開催中に配布されたチラシやパンフレットには、特設サイトのURLやQRコードが掲載されることが多いです。

そのため、事業終了後に、住民が手元に残っていたチラシを見て、次はいつ開催されるのかと思いURLにアクセスすると、まったく関係のない商用サイトや広告ページが表示される事態が発生します。

悪意がなかったとしても、公式案内だと思ってアクセスした先が別のサイトだったという事実は、組織の管理体制への不信感や、場合によってはSNSによって拡散されるリスクにつながります。

年間数千円と信用失墜のリスク

ドメインを維持するための費用は、多くの場合、年間数千円から1万円程度です。

一方で、ドメインを解約して放置した結果、第三者に再利用された場合に発生するリスクはかなり大きいものになります。場合によってはTVニュースでも流れます。

なりすまし、誤情報の拡散、詐欺利用、報道による信用低下など、対応に追われる時間と労力は非常に大きなものになります。

失われる信用を考えれば、数千円~1万円程度の複数年のドメインの維持費は、安い保険料とも言えます。

現実的な対策

まず、キャンペーンが終わってもドメインをすぐに手放さないことです。最低でも数年間は契約を継続し、第三者に取得されない状態を保ちます。

次に、アクセスしてきた利用者に配慮した表示を行います。

本キャンペーンは終了しましたという案内ページを表示する、もしくは現在の公式サイトへ自動的に転送する設定を行うだけでも十分です。

これだけで、誤解やトラブルの多くを防ぐことができます。

使い捨てドメインを増やさないという考え方がベスト

さらに一歩進んだ対策として、管理すべきドメインの数そのものを増やさないという考え方があります。

キャンペーンごとに新しい独自ドメインを取得するのではなく、既存の公式サイトのドメインを活用する方法です。

例えば、公式サイトの中にキャンペーン専用ページを作る、もしくは公式ドメインのサブドメインをキャンペーン用に使うといった運用です。

この方法であれば、公式ドメインは組織が存続する限り維持されるため、うっかり失効するリスクはほぼありません。

キャンペーン終了後は、そのページを削除するか、終了案内に差し替えるだけで済みます。

結果として、ドメインやサーバーの管理コストの削減にもつながり、部署ごとにバラバラなドメインが乱立する事態も防げます。

目立つから、覚えやすいからという理由だけで新しいドメインを取得する前に、既存のドメインで代用できないかを一度検討することが、将来のリスクとコストを大きく減らすことにつながります。

ウェブロードでは、特設サイトやランディングページの制作だけでなく、終了後まで見据えたドメイン管理や運用設計のご相談にも対応しています。

過去に作ったサイトやドメインが気になっている場合は、一度整理してみることをおすすめします。

投稿者プロフィール

山口 敦
山口 敦
2004年頃の会社員時代からブログ作成を始める。ブログ作成が楽しくなり、そのまま趣味が高じて2006年にホームページ制作で起業、2008年に株式会社ウェブロードを設立。現在は、個人・中小事業者のWordPressサイト制作・改善を中心に、Web業界20年の知識と経験を生かして、自治体案件等の大型案件のWebディレクターや中小企業・個人事業主へのWeb全般のアドバイザー、SEO/AIOのコンサルタントとしても活動中。 プロフィールはこちら

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