この記事では、既存サイトのドメインはそのままに、別のサーバーで構築した新しいサイトをそのサイトのサブドメインで公開する方法を解説します。

弊社(webroad.co.jp)が受けた相談をもとに、弊社のドメインを具体例として仮のサブドメインで考えてみます。

事例 webroad.co.jp の場合

  • 既存サイト:www.webroad.co.jp(ウェブロードが運営中)
  • 新サイト:seisaku.webroad.co.jp(別サーバーで構築)
  • 別サーバー:seisaku-seisaku.com のドメイン1つを設定しているサーバー

webroad.co.jp のドメインはそのまま使いつつ、別に借りたサーバーを使って seisaku.webroad.co.jp というURLで新しいサイトを公開したい」という構成です。

1. まず知っておきたい用語

用語一言で言うと補足説明
ドメインインターネット上の「住所の名前」例:webroad.co.jp
サーバーウェブサイトのデータを保管・配信するコンピュータークラウド上に置かれることが多い
グローバルIPアドレスサーバーの「番地」(数字の住所)例:203.0.113.10
DNSドメイン名とIPアドレスを対応させる「電話帳」「webroad.co.jp → 203.0.113.10」という変換を担う
サブドメインドメインの「前」に付ける名前例:seisaku.webroad.co.jp(seisakuがサブドメイン部分)
Aレコードドメイン名をIPアドレスに直接紐づけるDNS設定「seisaku.webroad.co.jp → 203.0.113.10」のように直接指定
CNAMEレコードドメイン名を別のドメイン名に転送するDNS設定「seisaku.webroad.co.jp → seisaku-seisaku.com」のように転送

2. 全体の構成イメージ

今回実現する構成を整理すると、次のようになります。

【webroad.co.jp のDNSサーバー】
www.webroad.co.jp → 弊社のサーバー(既存サイト)
seisaku.webroad.co.jp → 別サーバーのIPアドレスを登録

【別サーバー(seisaku-seisaku.com があるサーバー)】
seisaku.webroad.co.jp 用のフォルダを作成
そのフォルダの中でサイトを構築・運用

重要なポイントは「設定が必要な場所が2か所ある」ことです。この2つがそろって初めてサイトが表示されます。

3. なぜ設定が2か所必要なのか

「DNSにIPアドレスを登録すれば終わりじゃないの?」と思いがちですが、実はもう1か所の設定が必要です。

サーバーは1台で複数のサイトを同時に運営していることが多く、IP指定でアクセスが来たときに「どのサイトのコンテンツを返せばいいか」をドメイン名で判断しています。

DNSだけ設定した場合(設定①のみ)

seisaku.webroad.co.jp にアクセス → DNSに従って別サーバーに到達する → サーバーが「seisaku.webroad.co.jp は知らないドメインだ」と判断 → エラーまたは別サイトの内容が表示される

両方の設定がそろった場合(設定①+設定②)

seisaku.webroad.co.jp にアクセス → DNSに従って別サーバーに到達する → サーバーが「このドメインは受け付ける。このフォルダの内容を返す」と判断 → 正しくサイトが表示される

4. 必要な設定(2か所)

設定① webroad.co.jp のDNS側

webroad.co.jp のドメインを管理しているDNSサーバー(ドメイン管理会社の管理画面)で、以下のレコードを追加します。

レコード種別ホスト名値(IPアドレス)TTL
Aseisaku(別サーバーのIPアドレス)3600

CNAMEを使う場合は、値の欄に「seisaku-seisaku.com.」を入力します。

これをしないと、そもそもインターネット上に seisaku.webroad.co.jp というURLが存在しないことになります。

設定② 別サーバー(エックスサーバー)側

別サーバー側でも「seisaku.webroad.co.jp からのアクセスを受け付ける」設定が必要です。

エックスサーバーを使用している場合は、サーバーパネルの操作のみで完結します。

  • 手順① エックスサーバーのコントロールパネルにログイン
  • 手順② サーバーパネルのメニューから「ドメイン設定」を選択
  • 手順③ 「ドメインを追加」から「seisaku.webroad.co.jp」を入力し、「無料独自SSLを利用する」にチェックを入れて「追加する」をクリック

重要な補足:seisaku-seisaku.com のデータはそのまま使えない

ここで多くの方が疑問に思うのが「seisaku-seisaku.com にあるサイトデータは自動的に使われるの?」という点です。答えは「使われません」。

エックスサーバーでドメインを追加すると、既存の seisaku-seisaku.com のフォルダとは別に、seisaku.webroad.co.jp 専用の空のフォルダが新しく作られます。

ドメインフォルダ備考
seisaku-seisaku.com/public_html/seisaku-seisaku.com/元からあるフォルダ。今回は使わない
seisaku.webroad.co.jp/public_html/seisaku.webroad.co.jp/新しく作られる。ここにサイトを構築する

つまり「seisaku-seisaku.com というドメインは器(サーバー本体)として使うだけで、実際にサイトを構築する場所は seisaku.webroad.co.jp のフォルダの中」ということになります。

5. 公開までの作業フロー

  • STEP 1 別サーバー(エックスサーバー)を契約・準備する
  • STEP 2 サーバーパネル→「サーバー情報」からIPアドレスを確認する
  • STEP 3 webroad.co.jp のDNS管理画面で seisaku のAレコードにそのIPアドレスを登録する
  • STEP 4 サーバーパネル→「ドメイン設定」→「ドメインを追加」から seisaku.webroad.co.jp を追加する(SSL同時設定)
  • STEP 5 サーバーパネル→「WordPress簡単インストール」で、インストール先として seisaku.webroad.co.jp を選択してインストールする
  • STEP 6 seisaku.webroad.co.jp のWordPress管理画面でサイトを制作する
  • STEP 7 DNS反映後(最大48時間)、ブラウザで動作確認する

6. 注意点まとめ

項目内容
設定は必ず2か所必要DNSの設定と、別サーバー側のドメイン追加、両方がそろって初めてサイトが表示される
seisaku-seisaku.com のデータは自動では使われない新しいフォルダが作られるため、サイトは seisaku.webroad.co.jp のフォルダに改めて構築する必要がある
DNS反映には最大48時間かかる最近は数時間程度のことが多いが、公開スケジュールには余裕を持って作業を進める
SSL証明書はドメイン追加時に同時設定「無料独自SSLを利用する」にチェックを入れることで自動設定される
既存サイト(www.webroad.co.jp)への影響はないサブドメインのみにレコードを追加するため、既存サイトには一切影響しない
契約終了後の扱いを事前に合意する受託案件の場合、契約終了後にサブドメインとサーバーをどう扱うか事前に取り決めておくことが重要

投稿者プロフィール

山口 敦
山口 敦
2004年頃の会社員時代からブログ作成を始める。ブログ作成が楽しくなり、そのまま趣味が高じて2006年にホームページ制作で起業、2008年に株式会社ウェブロードを設立。現在は、個人・中小事業者のWordPressサイト制作・改善を中心に、Web業界20年の知識と経験を生かして、自治体案件等の大型案件のWebディレクターや中小企業・個人事業主へのWeb全般のアドバイザー、SEO/AIOのコンサルタントとしても活動中。 プロフィールはこちら

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