「キーワードごとにサイトを分けて、そこから本サイトへリンクを送れば順位が上がる」
「複数のサイトを並行して運営したほうが被リンクが増えSEO的には良い」
今までSEOの現場でよく言われていたそのような話は、現在はほぼ通用しません。
「1つのドメインを大きく育てる」ほうが、現在のGoogle検索でも、Googleの発表により今後本格化するAI検索でも、はるかに有利です。

20年近くWordPressサイトの運用に携わってきた立場から、なぜそう言えるのか、そして実際に成果につながった例も交えて整理しておきます。
ドメインを分けると「信頼」が分散し薄くなる
かつては、キーワードごとに小さなサイト(サテライトサイト)を量産し、そこから本サイトへ被リンクを送る手法が流行しました。この考え方は、今では過去の遺物です。

理由は3つあります。
1つ目は、評価が分散することです。
今のGoogleは「誰が発信しているか」を重視します。
ドメインを複数に分けると、本来1つに積み上がるはずの信頼性が薄く広がり、どのサイトも中途半端な評価で埋もれてしまいます。
2つ目は、自作自演の被リンクが逆効果になることです。
自分で作った別ドメインからのリンクは、今のGoogleには簡単に見抜かれます。
評価されないどころか、ペナルティで順位が急落するリスクのほうが心配です。
3つ目は、品質を保てないことです。
複数のサイトに薄い記事を分散させるより、1つのサイトの中でカテゴリーを分けて深く書くほうが、結果的に評価は高くなります。
各サイトでログインして執筆するなどの手間も散らばらず、更新も続けやすくなります。
AI検索の時代は「網羅性」がさらに効く
GoogleのAIによる概要(AI Overviews)や、ChatGPTのような生成AIが情報源を選ぶ仕組みを考えると、この傾向はもっと強くなります。
AIは単語単位ではなく、「そのサイトがその分野をどれだけ深く、広く語っているか」を見ています。
1つのドメインの中に体系立ったカテゴリーが積み上がっていると、AIは「ここは情報の宝庫だ」と判断し、回答の引用元に選びやすくなります。

逆に、1〜2ページの断片的なサイトに載っている程度の答えは、ユーザーがサイトを訪れる前にAIが要約して終わってしまいます。
これからの検索で生き残るのは、AIが要約しきれないほどの深い専門性と、独自の経験を持つ「1つの信頼されたサイト」です。サイトを分散させることは、この「深さ」を自ら手放すことにもなりかねません。
たとえば同じ分野の記事が10本あるとき、それが5つのサイトに2本ずつ散らばっている状態と、1つのサイトに10本まとまっている状態とでは、後者のほうが圧倒的に「その分野に詳しいサイト」として認識されます。
人が見ても、検索エンジンが見ても、AIが見ても、その印象は変わりません。情報は1か所に集めるほど価値が増していく、という性質を持っているのです。

実際に「集約」で成果が出た例
以前、ある販売会社様の運営コンサルティングを半年したときのことです。その会社様は、自社サイト、無料ブログ、ネットショップ、SNSと、情報発信の媒体があちこちに分かれていました。
一見すると発信量は多いのですが、アクセスはどこにも溜まらず、なかなか成果につながっていませんでした。
そこで弊社が行ったのは、アクセスのほとんどなかった無料ブログを止め、会社のサイトドメイン側にブログを移して、情報発信を会社ドメインに一元化することでした。
あわせてネットショップ側の商品説明やお客様向けのQ&Aを充実させ、地道に投稿を続けました。
このような改善をした後すぐに数字が伸びるわけではありません。成果が見えない時期が半年ほど続きます。
それでも続けるうちにアクセスが少しずつ増え始め、ネットショップからの売上が継続的に見込めるようになりました。
情報発信拠点を散在させるのをやめ、1つのドメインに集約したことが、結果的に会社全体の集客を底上げしたのです。
事例1 グッズのネットショップ様(コンテンツ蓄積で検索集客)

あるグッズのネットショップ様では、商品ページだけでなく、扱う商品にまつわる情報をブログ記事として自社サイトに積み上げてきました。
2026年4月の月間アクティブユーザーは1,782人で、その大半は検索からの流入です。
Googleの自然検索だけで月の表示回数は41,741回、クリックは673件、平均掲載順位は5.31位と安定しています。
さらに、各記事からショップへ誘導する導線を整えたことで、購入や問い合わせにつながるアクション(キーイベント)が前月の0件から32件(CVR1.62%)へと動き始めました。サイトを分けず、1つのドメインに情報を集約して育てた成果です。
事例2 税理士事務所様(専門コラムで見込み客を集める)

ある税理士事務所様では、事務所サイトの中に「旅費規程」や「役員の出張手当」といった、経理の現場で実際に検索されるテーマのコラムを積み上げています。
2026年4月の月間アクティブユーザーは305人とまだ小さな規模ですが、旅費規程のコラムはサイト内でも上位の閲覧ページになっています。
検索からのクリックは月14件、表示は月572回とこれからの段階ですが、「旅費規定 金額」での検索クリックや、「役員 出張手当 相場」「節税 旅費規程」といった相談につながりやすい専門キーワードでの表示が確認できています。
広く浅いサイトをいくつも作るのではなく、専門分野を1つのサイトの中で深掘りしていく、士業のように専門性が問われる分野ほど、この「集約して深める」進め方が効いてきます。
事例3 製造メーカー様(サイトを増やさず、カテゴリを深める)

ある製造メーカー様からは、特定の素材製品の知名度を上げたいというご相談をいただきました。
このときご提案したのは、新しいサイトを別に立ち上げるのではなく、すでにある自社サイトの中で、その製品カテゴリのページを増やし、情報を深めていくことでした。
これはまだ始まったばかりの取り組みで、数字としての成果はこれからですが、考え方はこれまでの事例と同じです。
サイトを分散させればドメインの力も分散します。
逆に、1つのサイトの中で特定分野を掘り下げていけば、その分野で検索されたときに見つけてもらえる確率が高まり、専門メーカーとしての信頼も伝わりやすくなります。
では、どう設計すればよいか
やるべきことはシンプルです。
- メインドメインを1つに決める(自社サイト、または軸となるオウンドメディア)
- カテゴリーをディレクトリ構造で整理する(例:/web-design/、/seo/ など)
- 各カテゴリーを深掘りする記事を積み上げ、内部リンクで適切につなぐ
- サイト全体の信頼性を高め、GoogleにもAIにも一目置かれる存在にする
特に4つ目の内部リンクは見落とされがちですが、とても大切です。
関連する記事同士を適切につなぐことで、ユーザーはサイト内を回遊しやすくなり、検索エンジンやAIも「このサイトは1つのテーマを体系立てて扱っている」と理解しやすくなります。バラバラに置かれた記事と、線でつながった記事とでは、サイト全体の伝わり方がまるで違ってきます。
なお、ドメインを複数持つ意味があるのは、対象とするお客様がまったく違う場合や、ブランドを明確に分けたいといった経営上の理由があるときだけです。SEOやAI対策のためにサイトを分けるのは今後は不要と考えています。

アクセス解析を見ながら、分析・仮説・改善・制作・報告・検証を地道に繰り返す、この積み重ねが、ドメインの価値をじわじわと押し上げていきます。
半年は成果が見えにくくても、続けた会社のサイトだけが、後から大きく伸びていきます。
守りの保守から、攻めの運営へ
ここまでお読みいただいて、「うちのサイトは今どうなっているのだろう」と気になった方も多いと思います。
ウェブロードでは、WordPressの保守管理だけでなく、こうした「サイトをどう育てていくか」という運営戦略のご相談もお受けしています。

実際に、サイト改善とあわせて毎月コンテンツを制作し、お問い合わせ数を伸ばしていく「SEOサイト改善&コンテンツ制作サービス」もご用意しています。
SEOサイト改善&コンテンツ制作サービス
このページの内容をAIに対談させた音声です↓ このサービスは、「畑を耕して、作物を育てて、売り場に並べる」作業の代行です。…
具体的にはこの記事のようなページをお客様のサイトの中に毎月5つ、記事作成から画像制作、投稿まで行わせていただいております。
もちろんそれだけではなくGoogle Search ConsoleやGoogle Analyticsのデータを確認し、問題となるサイトの箇所を継続的に改善して行く作業も行っています。
バージョンアップやバックアップといった守りの部分を固めながら、AI時代に合わせた攻めの設計まで一緒に考える、そういう伴走の形が、これからの会社サイトには必要だと考えています。
「今のサイトをどう育てればいいか、方針から相談したい」という段階でも歓迎です。
投稿者プロフィール

- 2004年頃の会社員時代からブログ作成を始める。ブログ作成が楽しくなり、そのまま趣味が高じて2006年にホームページ制作で起業、2008年に株式会社ウェブロードを設立。現在は、個人・中小事業者のWordPressサイト制作・改善を中心に、Web業界20年の知識と経験を生かして、自治体案件等の大型案件のWebディレクターや中小企業・個人事業主へのWeb全般のアドバイザー、SEO/AIOのコンサルタントとしても活動中。 プロフィールはこちら
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