「以前サイトを作ってもらった制作会社と、連絡が取れなくなって困っています」というご相談をお受けすることがあります。
そもそも制作してもらった会社がなくなった、個人の方にお願いしていたがWeb制作の仕事を辞めて連絡が取れない、何度メールしても返事が来ない、理由はさまざまですが、共通しているのは、今あるサイトを触りたくても、ログインIDやパスワード、そもそもログイン画面のURLすら分からなくなっているという点です。

私自身、20年近くWordPressサイトの運用に携わってきましたが、この手のご相談は本当に多くなりました。事業者の方が一通りサイトを持っているということと、ウェブが集客やビジネスにかなり活用できると気づいた方が増えてきたのではないかと推測しています。
今回はそのような、サイトの管理情報が何も分からない状況から弊社がどのように対応しているのか、どうやって状況を打開しているのかの流れを、過去の具体的な事例に沿ってお伝えしてまいります。
名義が自分のものになっていない?
こうしたご相談をいただくと、私がいちばん最初に確認するのは、サイトの見た目でも中身でもありません。
ドメイン(サイトのアドレスのことです)と、サーバー(サイトのデータの保管場所のことです)が、誰の名義で契約されているのか、というところです。
制作会社にすべてお任せで作ってもらった場合、ドメインもサーバーも制作会社の名義のまま、という状態が非常に多いです。
普通にネット上に存在しているだけでしたらは何の問題もないのですが、その制作会社と連絡が取れなくなった瞬間、自分のサイトのはずなのに、自分では何ひとつ修正や追加が出来ないという事態になってしまいます。

先日も、あるお客様のサイトを調べさせていただいたところ、サーバーの契約者名義が、最初にサイトを作った制作会社のものになっていました。
そこまでは想定内だったのですが、その制作会社をお調べすると、すでに閉業されていました。名義を本来の持ち主に移そうにも、契約者の特定までたどり着けるかどうかが分からない。そういう状況でした。
こうした経験からいつもお伝えしているのですが、ドメインは必ず自社の名義で持っておいていただきたいのです。
サーバーだけであれば別の会社やご自身の契約名義サーバーへ移すのは、データの移動と動作確認とドメインのDNS変更でできますが、ドメインはサイトそのものと言えるほど大切なものになるため、ここが他社の名義のままだと、結構面倒な名義変更作業が出てきます。
そのためドメインは必ず自社の名義で持っておかれることをおすすめします。

まず行うのは現状の棚卸し
こういうとき、いきなりリニューアルの話を始めたりはしません。まずは今あるサイトが、どういう状態で、どこに何があるのかを一通り確認します。
具体的には、サーバーの管理画面、ドメインの契約状況、FTPと呼ばれるサーバー内のファイルへの接続、そしてWordPressの管理画面。この4つがそれぞれログインできる状態なのか、名義は誰なのか、データはきちんと残っているのかを、一つずつ潰していきます。
このとき、WordPressの管理画面のパスワードが分からなくても大丈夫です。

サーバーの管理画面やFTPからサイトのデータそのものにアクセスできれば、そこから状況を把握したり、データを取り出したりできる場合が多いからです。
実際に、管理画面のログイン情報がなくても、サーバー側から作業を進めて解決できたケースは何度もあります。入り口が一つ塞がっていても、別の入り口が残っていることは珍しくありません。
こうして中を確認していくと、例えばあるお客様のサイトでは、予約や販売の要になっていたプラグインが、セキュリティ上の問題を理由に、すでに公式の配布元から取り下げられていました。
そのまま使い続けると危険が残るため、こういう場合は代わりの仕組みを探すか、別の方法に置き換えるところまで含めてご提案します。
ただ引き継いで終わりではなく、危ないところがないかを見きわめるのも、棚卸しの大切な役割だと考えています。

とくに、制作会社から引き渡しを受けて5年、10年と経っているサイトでは、こうした問題がいくつも重なって見つかることがよくあります。
制作当時に使われていたメールフォームのプラグインや、チケットの座席管理システムなどが、すでに何年も前に開発を終えていて、PHP7.4以下の古いバージョンでしか動かない、ということも珍しくありません。
制作会社が独自に作ったテーマの場合も、そのテーマの中で、今では廃止されたプログラムの書き方がそのまま使われていて、不具合の原因になっていることがあります。
サーバー側もWordPress側も、今はPHP8.3以上が推奨される時代になっています。(執筆時の2026年7月時点)
5年前、10年前のまま同じ状態で使い続けていると、そう遠くない将来にサイトが動かなくなったり、攻撃の対象にされたりするリスクが高まっていきます。
こうした場合はPHPのバージョンを引き上げる対応や、不具合の箇所だけを直す対応をご提案することが多いです。
もしお使いのサーバーがPHP7のバージョンのままになっているようでしたら、PHPバージョンアップという形で、診断から対応策のご提案、お見積りまでさせていただきますので、一度ご相談ください。
【WordPress専用】PHPバージョンアップ対応サービス
【警告】あなたのWordPressサイト、ある日突然動かなくなるかも?!古いPHPは、セキュリティ、表示速度、サイトの安定性を著しく危険にさらしています! 「自社でページの追加ができない」「WordPressの更新ができ […]

情報が見つかれば名義を取り戻し、見つからなければ作り直し
現状の棚卸しが終わると、進む道は大きく2つに分かれます。
一つは、契約情報が見つかり、前の制作会社とも連絡が取れる場合です。多くのレンタルサーバーには、契約者の名義を別の人へ移すための譲渡の手続きが用意されています。
この手続きを使って、ドメインとサーバーの持ち主をお客様ご自身に移せば、今あるサイトをそのまま引き継いで運用を続けられます。ここまでできれば、サイトの所有権と管理が、ようやくお客様の手元に戻ったことになります。
もう一つは、どうしても契約情報が見つからない、あるいは前の制作会社と連絡が取れない場合です。
このときは、無理に古い契約にこだわらず、新しくサーバーを用意し直して、そちらにサイトを作り直すという選択を取ることがあります。取り出せるデータ、つまりテキストや写真は活かしながら、新しい土台の上でリニューアルしていくわけです。製造業の企業様でそのような事例が昨年もありました。

また、先日ご相談いただいた別のお客様も、長く使ってきたテーマがすでにサポートを終えていて、サーバーのPHPというプログラムのバージョンを上げるとサイトが表示されなくなる、という状態でした。
この場合も、今のサイトを一つずつ直していくより、既存のドメインとこれまでのデータを引き継いだうえで、新しいテーマで作り直すほうが、結果的に安全で費用も抑えられると判断してご提案しました。
管理画面にうまく入れないサイトについても、同じ考え方でリニューアルの方向へ進めることがよくあります。重要なのは、修正対応していくか、作り直すかを最初に決めつけないことです。
現状を見て、いちばん無駄がなく、これから長く安心して使える形はどちらなのか。そこをお客様のご希望に沿った形で一緒に考えて決めていきます。

確認していただきたいこと
もし今、制作会社にすべてお任せでサイトを運用されているのでしたら、ひとつ確認していただきたいことがあります。
それは、ご自身のサイトのドメインとサーバーが、誰の名義で契約されているのかということです。
これが自社の名義になっていれば、たとえ制作会社との関係が切れても、サイトを守る土台は残ります。
逆に、そこが把握できていないと、いざというときに身動きが取れなくなってしまいます。契約の確認メールや、毎年の更新のお知らせがどこに届いているのか、それを把握しておくだけでも、サイトの状況が分かってくるはずです。
あわせて、ドメインやサーバーの会社から届くメールには、必ず目を通すようにしてください。契約更新の案内など、大切なお知らせが載っていることがあります。
たとえばドメインの更新をうっかり忘れてしまうと、ある日突然サイトが表示されなくなってしまいますし、そのドメインを会社のメールアドレスにも使っている場合は、会社全体でメールの送受信ができなくなるという重大な事態にもつながりかねません。
ドメインはそれくらい重要なものだという意識を持っていただけると安心です。
自社で管理を続けるなら最低限これだけやっておきたいこと
WordPressは自社でも扱いやすいツールですので、保守管理の費用を抑えようと、社内で持ったまま、実際にはほとんど手をつけられていない、という会社様も少なくありません。
ただ、少なくとも月に一度もメンテナンスができないようであれば、専門の会社に保守を任せておくほうが安全だと考えています。
たとえば、自社のWordPressの中にお客様の個人情報が入っているのかどうかも分からない、というレベルの管理しかできていないとしたら、それはサイトの中身を把握しないまま運用していることになります。
その状態では、プラグインの更新やセキュリティの手当ても十分にできていない可能性が高いです。
もし自社で管理を続けられるのでしたら、弊社ブログの「WordPress保守管理時のセキュリティ確認事項16項目」という記事の内容を、一つずつ実践していただくとよいと思います。
WordPress保守管理時のセキュリティ確認事項16項目
WordPressのユーザー名は自由に決めることができますが、昔のWordPressサイトで未だに過去のデフォルトのユーザー名である「admin」を使っている方も見受けられます。 この場合直ちにユーザー名の変更をする必要 […]
これらを自前で続けるのは負担が大きいと感じられる場合は、ぜひ弊社にお任せください。貴社の大切な資産であるサイトを、しっかりとメンテナンスさせていただきます。

ご相談だけでも歓迎
連絡の取れない制作会社が作ったサイトの引き継ぎは、状況によって取れる手段が本当にさまざまです。
うちの場合はどうなるのだろうと思われたら、まずは今のサイトがどういう状態かを調べるところからお手伝いさせていただきます。
ウェブロードでは、他社が制作したWordPressサイトの保守管理やリニューアルも日常的にお引き受けしています。
ISMS認証(ISO/IEC 27001:2022)も取得しておりますので、情報の取り扱いに配慮が必要な案件や上場企業様でも安心してお任せいただけます。
ご相談やお見積りは無料です。お気軽にお声がけください。
WordPress保守管理(委託管理)
このサービスは、「持ち家の定期点検・メンテナンス」のようなものです。屋根(サーバーやドメイン)が傷んでいないか、配線(コードやプラグイン)が正常に動いているか、古くなった設備を取り替える(プログラムのアップデート)必要が […]
投稿者プロフィール

- 2004年頃の会社員時代からブログ作成を始める。ブログ作成が楽しくなり、そのまま趣味が高じて2006年にホームページ制作で起業、2008年に株式会社ウェブロードを設立。現在は、個人・中小事業者のWordPressサイト制作・改善を中心に、Web業界20年の知識と経験を生かして、自治体案件等の大型案件のWebディレクターや中小企業・個人事業主へのWeb全般のアドバイザー、SEO/AIOのコンサルタントとしても活動中。 プロフィールはこちら
最新の投稿
お知らせ2026年7月19日WordPressの重大な脆弱性と、弊社の対応について
メルマガバックナンバー2026年7月16日自分の言葉で正しく伝える自社メディアを持つ
ホームページ制作2026年7月9日連絡の取れない制作会社が作ったサイトを引き継ぐ方法
SEO・AIO・Web集客2026年7月9日コンテンツSEO代行会社の選び方|失敗しない7つのチェックポイント
お問合せフォームはこちら
弊社サービスをご検討いただきありがとうございます。
こちらのカテゴリ内のご質問と回答で解決できない場合は、ぜひ下記フォームよりお問い合わせください。ご相談・お見積りのご依頼は無料です。
お申込前のお打ち合わせはメール/お電話/GoogleMeet等オンラインでもご対応可能です。全国からお問い合わせを受付けています。
翌営業日を過ぎても弊社からの連絡がない場合はメールが届いていませんので、大変お手数をお掛けしますが、下記メールアドレスにご連絡ください。













